日曜、21時からTBS系列で放送されていたドラマ、マイファミリーの最終回で気になった点について、考察してみたいと思います。
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真犯人は吉乃
一連の事件の真犯人は、捜査一課長の吉乃でした。
まあ、大方の予想通りといった感じですが、決め手となったのは、前回の考察で取り上げた通り、実咲のほうから吉乃に会いにいった点でした。実咲と吉乃の通信履歴が残っていたのを、葛城が見つけたのですが、そもそも、実咲が生きていた時点で、ほぼ詰んでいたように思います。いつ意識が戻るのかわからない状況でしたが、毎日、そのことに怯えながら生きていくことになるわけですから。
心春の件の詳細については、この後触れるとして、吉乃を真犯人として当てはめた場合、いくつか不自然な点が存在します。
1つ目は、単独犯だったという点です。
吉乃が、捜査一課長という立ち位置だったことを考えると、あまりにも自由に行動できたことに違和感を感じます。未知留誘拐からの一連の経緯は、いつの間に1人でそんなことしてんだといった感じがしました。その他にも、優月誘拐時に温人達を何度も移動させたことや、温人の家に1億を置きに行ったこと、実咲の誘拐、監禁など、犯人としての行動に、かなり時間を取られています。このことから、共犯者の存在が必要不可欠と思い、亜希、あるいは、心春が協力しているのではないかと考察しました。
2つ目は、藤堂に、自ら心春誘拐の犯人だと名乗った点です。
ここも、再三、疑問点としてあげてきましたが、暴露本のせいで警察が動き出すのを恐れ、藤堂に再び誘拐をさせて、逮捕させるのが目的だったということでした。ただ、それが目的であれば、友果誘拐が藤堂の模倣犯と感づいた時点で、逮捕の方向に持っていくことが可能です。警察の動きについても、心春の件と結び付けて動いていたのは葛城だけで、本腰を入れて動いているような状況ではありませんでした。
警察関係者の吉乃であれば、当然そのことも知っていますし、友果の件を、藤堂模倣犯の線で操作するよう誘導することも可能だったはずです。
3つ目は、ストーリーとは関係ありませんが、キャスティングです。
真犯人という大事な役どころを、結局、お笑い芸人が務める結果となりました。個人的な思いですが、演技がうまい下手とか、お笑い芸人が好き嫌いとかいうことではなく、1つの作品として見た時に、なにかすっきりしないものが残るような感じがします。
制作側から見て、このキャスティングには、どういうメリットがあるのでしょう。意外性とか、サプライズ的な要素でしょうか。確かに、初の試みであれば、そういった要素を見出すこともできますが、以前、某ドラマでも同じように、お笑い芸人が真犯人という結末がありました。その時も、キャスティングについて、視聴者から酷評されていました。同じ轍を踏むことに、どういうメリットがあったのかわかりませんが、できれば、ちゃんとした俳優に演じてほしかったところです。
心春フォルダの中身
実咲が持っていたタブレットの、心春フォルダの中身は、吉乃と亜希が会っていた写真でした。
吉乃が実の父親ではと深読みしましたが、単なる密会写真でした。探偵が撮ったようなアングルの写真でしたが、心春が隠し撮りした写真ということです。
この写真を、実咲に送る心春も心春ですが、その写真が入っているタブレットを友果に貸す実咲も実咲といった感じです。
おっさん たらい回しといった感じですが、子供の行動なので何とも言えませんが、ちょっと不自然な感じは否めませんでした。ただ、もし実咲が、自分の身に何かあった時のために、タブレットを友果に託したのであれば、実咲のファインプレーです。まあ、1人で会いに行く前に、両親に話せという声もありますが。
心春誘拐の真相
心春誘拐については、前回の考察で言った通り、心春自身の狂言誘拐でした。
心春が、吉乃に協力させようとしたところまでは考察通りでしたが、まさか、もみ合っているうちに、心春が階段から転落死してしまうとは思いませんでした。もみ合っているうちにといった経緯が、2時間もののサスペンスドラマっぽい感じもしましたが、その、心春が計画した誘拐を、吉乃が実行し、心春の死を隠ぺいしたということでした。
ひとつ気になったのは、誘拐 当日に、吉乃と亜希が会っていたという点です。これは、吉乃が心春と会う前だったのでしょうか、会った後だったのでしょうか。話の流れ的には、会った後、つまり、心春を殺めてしまったあとではないでしょうか。そうだとすると、亜希に当日のアリバイを言えない状況にして、犯人に仕立て上げようとした可能性が高そうです。
藤堂の中の心春
これまで、藤堂が心春のことを、「ちゃん」付けで呼んでいることに違和感を感じていました。
しかし、これは、真犯人のウソに対する伏線だったのかもしれません。犯人が温人にウソの話をしている中で、藤堂は、心春が幼いころから時間が止まっていると言っていました。これが、真実なのかどうかはわかりませんが、そうであれば、「ちゃん」付けで呼んでいたことにも納得できます。
ただ、吉乃がそんなことまで知っているはずありませんし、葛城と話をしていた時には、「さん」付けで呼んでいました。
ちょっと、この辺が曖昧になってしまっていますが、個人的には、藤堂自ら、心春の存在が、幼いころから時間が止まっていたと証言してほしかったように思います。そうすれば、藤堂の中での心春の存在、そして、「ちゃん」付けで呼んでいた意味が明確化されてよかったように思います。
心春の居場所
藤堂が亜希に対していった言葉、「会えたのか?」これは、亜希が、心春の遺体発見に立ち会ったことを意味しているのだと思います。亜希の靴が、泥だらけだったのは、心春が埋められていた現場にいったからです。
泥だらけの靴、無言の亜希、藤堂の一言、これだけで、そのことを連想させるつくりは、圧巻といった感じです。
マイファミリーの総括
制作側の話では、もともと、ミステリーという定義のドラマではないということでしたが、ミステリードラマとして、十分機能していたように思います。過剰な煽りや、後出し的な要素もなく、とてもフェアーな内容のものでした。また、本来のテーマである家族についても、いろいろな意味での家族が描かれており、本質の部分がぶれることなく、しっかりしていました。
視聴率も高い数値を得ていましたが、こうした、良質のドラマが出来上がる要因は、やはり脚本にあるのだと思います。ドラマの視聴率が低いと、必ずと言っていいほど、主演の俳優が叩かれますが、演技がよっぽど下手とかでないかぎり、キャストによって視聴率が低くなるということはないと思います。視聴率が低いドラマの大半は、話がつまらないからです。
4月の段階で、このマイファミリーと、某月9ドラマに期待していました。しかし、結果は、対照的なものとなってしまいました。その差はやはり、話が面白いかつまらないかの差だと思います。某月9ドラマは、原作のしがらみがあったのかもしれませんが、脚本の良し悪しの差を痛感させられるものでした。
マイファミリーの良さは、キャスティングにもあったように思います。さきほど、キャストによって視聴率が低くなることはないと言いましたが、その逆はあると思います。キャストによって視聴率が上がるということです。主役はもちろんですが、脇役にも主演を張れるような人がいたり、脇役で異才を放つ人がいたりと、誰が真犯人でもおかしくないような、絶妙なキャスティングだったように思います。そういう意味でも、吉乃のキャスティングに関してだけは、ちょっと残念でした。
人それぞれ、ドラマに求めるものや、面白さの意味については違うと思いますが、個人的には、今後も、こうしたミステリー要素たっぷりの面白いドラマを期待したいところです。
以上、「【 マイファミリー】最終回考察 藤堂の中の心春の存在、そこに、心春ちゃん呼びの真実が隠されていた【ドラマ】」について、考察してみました。
藤堂に関しては、残念な結末となりましたが、鳴沢家については、ハッピーエンドで終わりました。鳴沢家のハッピーエンドについては、オープニングタイトルのところで、生まれた子供を含めた写真が出てしまったので、その時点でネタバレしていました。あそこでは出さずに、エンディングにだけ出したほうがよかったように思います。ネタバレという意味では、葛城が友果に、犯人は警察関係者と教えたのも、早々のネタバレとなってしまいましたね。あの時点で、吉乃か日下部の2択になってしまいましたが、もう少し他の可能性を残しておいてもよかったように思います。
これまで、マイファミリーの考察をご覧いただき、ありがとうございました。
7月期も、考察できるようなドラマがありましたら、ロジカルかつ独創的な観点で考察していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。
大事な役どころを芸人が演じて何がいけないのか、全然わかりません。
コメントありがとうございます。
わかりました。