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百花の遺書の違和感
鳥の獣こと、重原瀬奈がかかえていたものは、親友のための復讐でした。
白河組の秘書課で、一緒に働いていた、新見百花という女性が、横領の濡れ衣を着せられて亡くなった件です。
その首謀者であった、社長の白河に断罪を下すことで、復讐が完了したように見えますが、随所に違和感を覚えました。
まず、百花が残した遺書についてですが、そもそも、あのようなものを、電子文書で残すでしょうか。
普通は、手書きの文書で、思いを綴るでしょうし、いかにも、偽装してくださいと言っているようにも感じます。文章の内容についても、弟のことが一言も書かれていない点が気になります。
後ほど触れますが、弟の存在が、かなり重要になってくる感じなので、百花の中に、弟についての思いがなかったというのが、とても引っかかります。
文章の偽装についてもそうです。百花は、自殺する直前に、重原に電話をしています。
この時、テーブルの上には、パソコンが置かれています。
この状態であれば、いち早く遺書に気づいたのは、弟のはずです。しかし、パソコンに遺書があるのを発見したのは警察だと、両親は言っていました。
志摩も言っていましたが、調べれば偽装だとわかるものを、どうしてやっていなかったのかという点も気になります。
そもそも、遺書が書かれてから、2時間しかたっていない状況で、それを発見し、偽装していること自体、違和感ありすぎます。
偽装の流れについて、三郎の見立てでは、白河が気づいて、米沢に依頼し、鶴田と鹿野にやらせたというものでした。
しかし、末端の2人と、白河に対しては制裁を下したのに対し、米沢に関しては、現状、お咎めなしです。
その、米沢に関しては、後ほど触れるとして、鶴田と鹿野が爆死した時の、重原の様子も、何か変でした。
恨みを晴らしたというよりは、そこまでするのかといった感じで、茫然としている様子でした。
これら、随所にみられる違和感から鑑みるに、新見百花の件は、決着しておらず、もっと大きな何かが、裏に潜んでいるのではないでしょうか。
謎の男の正体
裕子を襲った、謎の男の正体ですが、横領の濡れ衣を着せられて亡くなった、新見百花の弟、新見大河ということが、ほぼ確定的となりました。
百花が搬送されるシーンで、一瞬映りこんでいました。
実は、放送開始前のキャスト紹介で、ジェシーさんの役名が、新見大河だということが、一時的に発表されていたようです。すぐに消されたようですが、制作側の完全なネタバレミスです。
前作の大病院占拠でも、紫鬼の正体が、ウィキペディアの情報で漏れてしまうということがありましたが、こういったことは、制作側に細心の注意を払ってほしいところです。
話を戻しますが、謎の男が、新見大河だとすると、なぜ、裕子を襲うような行為に出たのでしょう。
鳥の獣こと、重原瀬奈同様、姉の復讐のための行動なのでしょうか。おそらく、そうだと思いますが、重原とは違う観点での復讐だと思います。それは、病院に対する復讐です。
先ほども触れた、百花の搬送シーンですが、救急車に乗せて搬送したということは、この時点では、まだ生きていた可能性が高いです。
もし、この時、裕子が働いている、横浜湾岸病院に搬送されたとしたら、ある出来事が頭をよぎります。それは、患者の優先順位の差し替えです。
百花が搬送された時、後から、VIP待遇の患者が運ばれてきたのではないでしょうか。第1話でも、同じような光景がありました。
順番通り、百花の治療を先にしていれば、百花は助かったのに、病院の上級国民優先主義のせいで、亡くなったのだとしたら、恨みの矛先が病院に向くことになります。
そう考えると、新見大河が、病院にいた理由も納得がいきます。その時に、優先順を指示した人物、おそらく、この部長だと思いますが、この人物を、空港に連れて行くのが、大河の役目だったのではないでしょうか。
そうなると、大河は、獣グループのメンバーということでしょうか。その可能性が高くなりますし、もし、そうだとしたら、鼠の獣が、新見大河なのかもしれません。
しかし、なんで怪我をして、裕子のもとに行ったのでしょう。
おそらく、何らかの形で、返り討ちにあったのだと思います。獣グループの仲間であれば、三郎の妻である、裕子の情報も持ち合わせていたと思うので、怪我の治療と逃走の手助けをさせたのではないでしょうか。検問や、パトカーが頻繁に行き来しているのも、空港の事件のせいではなく、襲われた病院の部長が通報したからかもしれません。
先ほど言った、姉の百花の件が決着していないと言うのは、弟、大河の、こうした行動からも伺えます。
米沢の本性
先ほど、新見百花の件に、米沢が関与していながら、現状、お咎めなしということについて触れました。一応、次回予告に、電流爆破ランニングマシンで走っているシーンがあったので、次回、制裁を受けるように見えますが、ガチなのか芝居なのか、その辺は定かではありません。
と言うのも、壬生との繋がりという点でも、関与しているからです。前回の考察で触れた、壬生を海外逃亡させるための手はずをしたのが米沢だという点です。
この点から、米沢は、獣グループの仲間で、壬生を計画に巻き込むための手はずだったのではないかと考察しました。もしそうだとすると、百花の遺書の偽装についての違和感も、偽装の偽装ということが考えられます。つまり、嘘の遺書に偽装しながら、今度は、本物の遺書が復元できるように、細工をしたということです。
米沢が、白河の実態を暴くために、獣グループに寝返ったのだとしたら、贖罪の意味で、そこまでしたのかもしれません。志摩も言っていた、白河の悪事の映像をどうやって撮ったのかという点も、米沢が隠し撮りしたのであれば納得がいきます。
米沢については、怪しい行動が、もう1つ存在します。それは、言動と行動が矛盾している点です。
隠し通路の存在が明らかになった時に、真っ先に逃げるのは自分だというような主張をしていました。
しかし、いざ、自分が逃げる番になった時、もうおしまいだと言って座り込み、逃げようとはしませんでした。
おしまいだと思うなら、むしろ、早く逃げろという気もしますし、獣たちがくるまでの、時間稼ぎのようにも見えます。これらの点から、米沢を、単なる復讐のターゲットと決めつけるのは、まだ早いように思います。
ちなみに、わざとらしく転んだあとの、天童の表情も怪しかったです。確かに、怪しかったですが、こちらは、ミスリードと判断しました。
13匹目の獣
随所で登場する、干支のホロスコープ図ですが、真ん中には龍がいて、まわりには、12匹の獣が存在します。
そうなると、干支には存在しない、13匹目の獣が存在するということになります。とりあえず、1つずつ見ていきたいと思います。
まず、顔の感じが鼠っぽいので、これが鼠だと思います。そして、角の感じから、これが牛。体の縞模様から、これが虎でしょうか。耳が長いので、これが兎。当然、真ん中が龍です。この、ニョロニョロしているのが蛇。顔の長さから、これが馬です。特徴がないので、何とも言えませんが、これが羊でしょうか。手があるので、これが猿でしょうか。トサカや嘴の感じから、これが鳥。しっぽの感じから、これが犬でしょう。そして、背中の模様から、これが猪です。干支にまつわる獣は、すべて存在しましたが、最後に残ったこの獣は、一体、何でしょう。
足やしっぽの感じから、エビのように見えるのですが、前方の部分だけ見ると、猿の顔に見えないこともないように思います。
もし、これが猿だとすると、猿だと思ったこれは何でしょう。考えられるとしたら、蛙です。
13番目の干支は、猫やイタチという説もありますが、蛙という説も根強いようです。鼠と犬以外に潜んでいる、13番目の獣は、蛙かもしれません。
蛙って、獣?
以上、「ドラマ『新空港占拠』第2話考察 百花の遺書の違和感、そして、搬送された先は、裕子の病院」について、考察してみました。
前作の、大病院 占拠でも、播磨院長が、複数の案件をかかえていたこともあったので、今回も、そういったことがありそうです。駿河に関しては、多少、警察側という可能性も残っているかと思いましたが、どうやら、その可能性は、完全に断たれたようです。まさか、結婚どころか、夫の人物の存在自体、フェイクだとは思いませんでした。ただ、駿河が敵側にいると、フェイクでも何でも作れてしまいそうなので、その辺が、多少気がかりです。