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久留米は単なるいち研究員
第7話のラストで、久留米が、国立生命理工学研究所の職員であることが、明らかになりました。どうやら、オクトセブンを作ったのも、久留米のようです。
ただ、誤解してはいけないのは、久留米は、研究の中でオクトセブンを生み出しただけであって、真犯人というわけではありません。
仮にそうだとしても、今まで、隠し続けてきた理由は、どこにあるのでしょう。
考えられそうな理由は、いくつかあります。
まず、単純に、ここで名乗り出れば、自分が犯人だと思われるからです。
あるいは、研究者として、オクトセブンの研究を続けたかったということもあるかもしれません。
どちらも、理由としてはありそうな感じがします。そして、もう一つ、久留米の心に刻まれているのは、安田が殺害された理由を突き止めるという使命です。
そういう意味では、安田を殺害する理由がない久留米が、真犯人ということは、まず、ありえません。久留米が、サイコパス的な人物でない限り、殺害後に、安田の店に、足繁く通うということもないでしょう。
現状、久留米が真犯人ではないという、絶対的な決め手はありませんが、その可能性は高いように思います。
安田と板橋の共通項
殺害された、安田と板橋についてですが、ともに、終末期の患者だったということが明らかになりました。やはり、そうした理由で、2人を利用したのでしょうか。
その可能性もありますが、都合がいいから利用したというよりも、本人達の意思を尊重したように感じます。終末期の患者ともなれば、当然、費用や労力の面で、家族に負担をかけることになります。2人は、そうした思いを、病院内で吐露していたのかもしれません。つまり、そのことを知った真犯人が、慈悲的な意味も込めて、計画に利用させてもらったということです。
以前の考察で、安兵衛での、久留米達と、安田の家族の会話が、妙に明るい感じだったのが気になったと言いました。これは、介護から解放された、家族の安堵感をあらわしていたのではないでしょうか。
真犯人側からすると、勝手なこじつけではありますが、Win-Winな結果になったということです。最後、真相が明らかになった時、そういった言い訳をしそうな感じがします。
奈良は単なる吹聴者
これまで、ギフトとは全く無縁だった奈良ですが、次回、白鳥から、新たな培養者として任命されるようです。考察では、全く取り上げてこなかった奈良ですが、真犯人の可能性はあるのでしょうか。
ギフトとは全く無縁という、逆張り要素だけでは、考察として取り上げることはできませんが、1つ、気になる点があるといえばあります。それは、国立生命 理工学研究所の名簿に載っている、早川あんずという人物が、奈良と同じ年齢だという点です。
つまり、この、早川あんずという人物が、奈良で、研究所にいたことがあるということでしょうか。北本も言っていましたが、研究員同士、顔を合わせることがほとんどないということなら、久留米と面識がなくても、おかしくありません。しかし、ただそれだけで、奈良が真犯人という根拠には、全くなり得ません。おそらく、奈良は、病院内の噂を、あちこち言いふらすだけの、単なる吹聴者にすぎないと思います。
そうだとすると、郡司の妻、佳澄が、情報源としている仲良しさんとは、奈良のことのようです。
奈良の落としどころは、精々、そこまででしょう。
ボロを出した真犯人
今回、真相に繋がる、重要な出来事が起こりました。それは、国立生命理工学研究所の元所長、稲葉の殺害です。
この稲葉が、真犯人について、何か知っているようでした。そこで、稲葉が殺害されるまでの経緯を、時系列に振り返ってみたいと思います。
まず、神林が、稲葉と会うためのアポを取り付けました。そして、藤巻にも、同行するよう連絡が来ますが、そのタイミングが、家に荷物を取りに行った帰りでした。
家では、ちょうど、真帆とバッティングしてしまいました。
その、真帆は、郡司の妻、佳澄と会っていましたが、その時の、郡司との電話のやり取りが、15時36分でした。
そこを起点に考えると、神林が藤巻に電話をしたのは、16時すぎの可能性が高いです。
そうなると、時間的に、稲葉に会いに行ったのは、翌日以降ということになります。
仮に、翌日だったとして、何時に会う約束をしていたのでしょう。小さくてわかりづらいですが、藤巻の腕時計の短針が、3時の方向を指していることから、おそらく、15時に会う約束をしていたと思われます。
そして、真犯人は、2人が帰るのを見送った後、稲葉を殺害したということです。
翌日、稲葉の死を知った神林が、そのことを、藤巻に告げ、カバンからGPSを発見し、残りのギフトを持ち去りました。
ちなみに、神林の服装が変わっている点や、部屋の時計から、翌日の13時40分の出来事だということがわかります。
一連の経緯を、時系列で振り返りましたが、この中に、さまざまな違和感が存在していました。
まず、稲葉と会うのに、なぜ、藤巻を同行させる必要があったのかという点です。
神林は、元刑事ですし、聞き込みのプロという意味では、藤巻を同行させる意味は、あまりありません。そこに繋がる要素が、GPSです。
藤巻のカバンにGPSが仕込まれていたから、真犯人に後をつけられたという、既成事実を作りたかったのではないでしょうか。そうだとしたら、藤巻を絶対同行させる必要があります。
そして、稲葉の死を、なぜ、電話ではなく、直接、会いに来てまでして、藤巻に知らせたのでしょう。
それは、カバンに、GPSを仕込むためです。
つまり、もともと、カバンにはGPSは仕込まれておらず、あたかも、いま発見したかのようなふりをしたということです。
この、GPSは、もともと仕込まれていたのなら、全員に可能性がありますが、そうでないとしたら、真犯人は神林一択となってしまう、もろ刃の剣です。そう考えると、武装する必要があると言って、残りのギフトを持ち去ったのも、どさくさな感じがしてきます。
しかし、藤巻と一緒にいた神林には、稲葉を殺害することはできないということが明白です。そこで登場するのが、共犯者です。
共犯者を特定する上で、重要となってくるのが、時間帯です。2人が、稲葉に会っていたのが、15時でした。
つまり、この時間帯に、本来いるべき場所にいなかった人物が、稲葉を殺害した共犯者ということになります。そうなると、日中帯は病院にいるであろう、病院関係者については、可能性が低くなります。
その日、休みを取っていたりしたら、自ら、犯人ですと言っているようなものです。
そんな中、日中帯、仕事場にいなくても、おかしくない人物が、一人だけ存在します。それは、安曇杏梨です。
アルカナムは、夜の店なので、日中帯、安曇がどこにいようとも、おかしくありません。忘れがちですが、そもそも、愛宕にもっとも近かった人物は、愛人だった安曇です。
しかし、なぜ、今になって、稲葉を殺害したのでしょう。
おそらく、真犯人たちにとって、危険な存在の人物になり得るとは、思っていなかったのでしょう。
しかし、稲葉が、真相を話そうかどうか、迷っていることから、仕方なく、口封じをしたのだと思います。
逆に言えば、稲葉が迷っていることを知っているのは、神林と藤巻だけなので、共犯者は、そこからしか情報を得ることができないということになります。
神林と安曇の共犯説は、第1話の考察から言い続けてきたことですが、どうやら、その可能性が高くなってきた感じです。
余計な行動をとったり、言わなくてもいいことを言い出したりしたら、その人物が犯人というのは、ミステリーのセオリーとも言えますが、今回の神林は、まさに、それに合致していた感じです。まあ、墓穴とまでは言いませんが、とうとう、ボロをだしたといった感じがしました。
ちなみに、神林と安曇が共犯である理由や、動機については、第1話の考察で語っていますので、そちらをご覧いただければと思います。
以上、「ドラマ『グレイトギフト』第7話考察 あの行動の違和感、ついにボロを出した真犯人、やはり、あの2人の共犯」について、考察してみました。
第7話の最後で、白鳥が、全員に集まってもらったと言っていましたが、その中に、安曇がいなかったのも、少し違和感を感じました。
何か、来られない理由があったのでしょうか。夜なので、店の都合ということも考えられますが、存在すべき人が存在しないというのも、伏線のような感じがします。ちなみに、神林と安曇は、これまでに、1度だけ、同じ場所に居合わせたことがありますが、会話を交わしたことは、一度もありません。