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乃木の裏切りの真偽
第9話は、ベキの壮絶な過去についてが、大半を占めました。
これまでの考察で、乃木とノコルの繋がりについて深堀りしてきましたが、最終回を残すのみの段階にきて、その可能性は、かなり薄くなってきました。結局、銃を背に後ろを向いたのも、弾が1発だけの銃を渡したのも、たまたまだったということのようです。
そこで、一旦、リセットし、これまでの状況から、それぞれの謎について、考察してみたいと思います。
まず、乃木が別班を裏切ったことについての真偽ですが、大方の予想通り、別班の作戦ということで間違いないでしょう。
ほかの別班員は、全員生きていましたし、乃木自身、最後に告白していたことからも明白です。
一番ポイントとなったのは、当時の機内での野崎との会話です。「鶏群の一鶴、眼光紙背に徹す」。この言葉が、乃木の口から出た時点で、別班の作戦ということは、既定路線だったと言えるでしょう。
それよりも、重要なのは、テントがそのことを、どこまで見越していたのかという点です。
それによって、テント内での思惑が、大きく変わってくるように思います。
ベキとノコルの見解の違い
テントは、どれだけ乃木のことを信用していたのか。そのことについては、ベキとノコルで、見解が違っているように思います。
ベキは、ほかに代えがたい能力なら利用すると言っていることからも、信用できるかどうかは二の次で、大義を果たすことが最優先という考え方です。
ベキ自身、乃木の重さを測れる能力を知ったとき、別班を裏切っていないことを確信していたようなのに黙っているということは、そういうことなのでしょう。
一方、ノコルは、乃木を信用できない思いを抱えつつも、ベキの考えに賛同せざる負えない状況に、苛立ちを感じつつあるのだと思います。
内心、乃木が失敗することを願っていたのでしょうが、すべてがうまくいってしまっている。そのことから、乃木が別班を裏切っていないことを、ベキに知らしめることに躍起になり始めたのだと思います。
乃木に撃たれた別班員が、棺で運ばれるのを確認したにもかかわらず、日本のモニターに調べさせたのは、そういった思惑からです。
そういう意味から、この、日本のモニターについては、これまでに登場した主要人物ではなく、単なる、いちモニターの可能性が高いです。
ノコルの思惑通り、乃木の本性が明らかになりましたが、それを知ったベキは、どういう行動に出るのでしょう。
最初に言った通り、ベキの目的は、大義を果たすことにあって、そのことに協力してくれた乃木は、信用に値する人間ということになります。そして、乃木が真実を述べたことについては、ベキ自身、本当のことを隠し通し、家族を失ったことへの、反面教師的な意味で、正しい選択と判断するのではないでしょうか。
黒須のスマホ
乃木が、別班の作戦を遂行し続けているとしても、ベキの大義を果たすために、テントに協力しているという面しか見えていません。
そもそも、テントに日本襲撃の意思がないという時点で、別班の任務事態、無意味なものになります。そうした状況の変化を、日本に知らせる必要がありますが、その起点となったのが、例の株取引です。
この時乃木は、黒須のスマホの使用を要求しますが、黒須のスマホが乃木の手に渡った時点で、情報は筒抜けです。
しかも、そのスマホを、テントのサーバーシステムに接続などしたら、ブルーウォーカーこと、太田の手によって、テントのすべての情報が抜き取られてしまいます。
まあ、テント側がお粗末すぎるとも言えますが、これで、乃木的には、すべて整ったと言えるのかもしれません。ベキも、リスクを承知で、大義を果たすために、危険を冒したのかもしれません。
語られていなかったノコルとの出会い
ベキの過去が語られる中で、一つ気になったのが、ベキとノコルの出会いが、今までに語られていなかったという点です。
つまり、ノコルに兄がいたことや、0歳で、すでに身寄りがなかったということも知らなかったということになります。ただ、このことを、ノコルに対してだけ話したのならいいのですが、実の息子が目の前にいる状況で話したのは、ある意味、逆効果のようにも感じました。
捉え方によっては、自分は実の息子の代わり、ベキ自身が生きていくための糧に過ぎない存在と思ってしまっても、おかしくありません。目の前に乃木がいる状況で話されたら、ノコルとしては、複雑な心境でしょう。
この話によって、ノコルの中で何かが弾けたとしたら、今後の展開に、大きく影響を及ぼすように思います。
ノコルの裏切り
乃木の存在、ベキとの出会い、すべてが絡み合い、弾けた結果、生まれるのは、嫉妬を通り越した怒りです。
おそらく、フローライトのことを政府にリークしたのは、ノコルだと思います。
目的は、乃木がやったように見せかけ、ベキの信頼を失わせ、自分の存在をアピールするためです。そのタイミングで、ほかの別班員が生きているという情報を流すことで、ベキが、乃木に制裁を加えるよう仕向けたのだと思います。
裏切者には制裁をというのは、第6話でも描かれていました。
しかし、先ほども言ったように、大義を果たすことに協力してくれたことで、乃木が信用に値する人間と判断したこと、別班であるという真実を述べたことで、制裁は下されません。
そうなると、ノコルは、どうなってしまうのでしょう。
おそらく、怒りを通り越して、裏切りの気持ちが芽吹いてくるのだと思います。日本襲撃が現実的でなくなった今、ラスボス的存在がノコルで、最大の焦点は、ノコルの裏切りにあるのではないでしょうか。
そして、最大の見せ場は、ノコルから乃木をかばって死んでいく、ベキの姿のように思います。
以上、「ドラマ【VIVANT】第9話考察 黒須のスマホが乃木に渡った時点で情報は筒抜け、ベキが求めるものは真実」について、考察してみました。
いよいよ、最終回を残すのみとなりましたが、ここまでくると、長野や薫が関わってくることは、ほぼないように感じます。ただ、続編を考慮しているとなると、最後に、長野の含み笑いで終わるという展開は考えられるかもしれません。いずれにしても、最終回を楽しみにしたいと思います。
最終回後に、総括をあげるかどうかは未定のため、ここでお礼を申し上げます。
これまで、VIVANTの考察をご覧いただき、ありがとうございました。
10月期も、新たなドラマの考察を行っていきたいと思いますので、チャンネル登録はそのままで、引き続きよろしくお願い致します。