裏切りの愛
前回の考察で、別班員4人の生存動画を送ったのは、薫ではないかと言いました。
詳細については、そちらの動画をご覧いただければと思いますが、そうなると、ある意味、乃木に対しての裏切り行為ということになります。
薫の、乃木に対しての愛は、偽りということなのでしょうか。薫の本当の愛は、アディエルに対して向けられているのだと思います。
実際、第2話の中で、アディエルと結婚するはずだったという話をしています。
そのことについては、乃木に問い詰められたとき、野崎を説得するための、とっさの嘘だったと言って、はぐらかしていました。
その嘘が、嘘だったとしたら、薫の、アディエルに対する愛は、本物だったということになります。
そして、アディエルに対しての愛は、乃木に対しての恨みに繋がってくることになります。アディエルの死の原因となった爆破は、ある意味、乃木のせいで起こったことと言えます。
逆恨みといえば逆恨みではありますが、薫に、そういう気持ちが芽生えたとしてもおかしくありません。
そうなると、ジャミーンも、同じような気持ちなのでしょうか。
ジャミーンは、乃木に対して、そういった気持ちをいだいてはいないでしょう。なぜなら、ジャミーンは、人の善悪がわかる子供だからです。
爆破の原因が乃木にあるからといって、乃木の善人としての本質を見抜いている以上、逆恨みをするようなことはありません。その、ジャミーンについても、前回の考察で、薫の子供ではないかと言いました。
もし、そうだとしたら、薫に、乃木を恨む気持ちがなかったとしても、ジャミーンのためなら、テントに情報を送ることも、厭わないでしょう。
薫の本当の愛が、アディエルにあったとしたら、乃木は、そのことに気づいているのでしょうか。
おそらく、気づいているのだと思います。その根拠が、度を越えた奉仕です。
まず、ジャミーンの手術費用として、1500万近い金額を寄付しています。自分を助けてくれたからとはいえ、桁外れな金額です。
そして、薫とジャミーンに、自分の家と全財産を提供しています。いくら、乃木が薫を愛しているからといっても、確かに、度を越えています。
これは、薫とジャミーンに対しての、乃木の罪滅ぼしなのではないでしょうか。
父親を失ったジャミーンの悲しさはもちろん、薫の本当の愛が、アディエルにあることを悟ったうえでの行動のように思います。
そうした、乃木の切なさを表していたのが、第7話での、バルカに向かう機内での表情です。ドラムが、薫とジャミーンの写真を渡しますが、何か浮かない表情をしていました。
この後の、任務に対する不安なのかもしれませんが、それであれば、逆に、写真によって勇気づけられるはずです。しかも、その写真を、任務の途中で、発信機とともに、置き去りにしていました。
それを、野崎が見つけていました。この行動は、自分に、薫とジャミーンを愛する資格はないという思いの表れなのではないでしょうか。
以上、「ドラマ【VIVANT】ショート考察 裏切りの愛、薫が本当に愛しているのはアディエル」について、考察してみました。
最終回まで、あと2日となりましたが、思い立ったことは、とりあえず、考察にしておこうと思い、短めですがあげてみました。ある意味、薫の愛を、邪道に捉えていると言えますが、1つの可能性として、深堀りしてみました。