30周年記念として、イブニングで連載中の金田一少年の事件簿について、漫画と同時進行で推理・考察をしていきたいと思います。今回は、エピソード「墓獅子祭殺人事件」のFile.7についてです。
漫画を読んでいる方も読んでいない方も一緒に推理・考察できればと思います。
ネタバレの内容を含みますのでご注意ください。
講談社 イブニング 金田一少年の事件簿30th File15~21より引用しています。
YouTubeにも動画投稿していますので、チャンネル登録していただき、みなさんと一緒に考察できたら、とてもうれしいです。
動機の観点から犯人が見えてくる
今回は、容疑者全員に同じ動機があるということを提示した回といった感じでした。
先に動機の要素を明らかにして、一旦、容疑者全員を横並びの状態にするという手法は今までになく、面白いように思います。しかし、そういった横並び状態だからこそ、逆に、異質な要素を持ち合わせた人物が犯人という可能性が強くなってきます。
ポイントとなりそうな点が3つ。
1つ目が、復讐のターゲットです。今回、殺害された3人が復讐のターゲットだということが明確になりました。
吊り橋の警告看板を隠したのが、あの3人だということです。死人に口なしということですが、おそらくその辺は、解答編で犯人が語るのだと思います。
ここで思い出してほしいのが、第1話でのつむぎの発言です。村を訪れた金田一達に対して、つむぎは、最近変な電話がよくかかってくると言っています。
無言で、かすかに読経の声が聞こえるとか言ってました。この時点では、犯人が仕掛けた行動のようにも感じました。しかし、復讐のターゲットが3人と明確化された今、あの無言電話は、不自然な行動となってきます。つむぎは狙われる対象ではないので、意味不明の無言電話です。そのあとに、墓獅子の由来や、吊り橋の事故のことを言いかけていることから、墓獅子の呪いを印象づけるための伏線だったのかもしれません。
2つ目のポイントは、復讐に踏み切る決め手です。全員に動機があるといっても、復讐に踏み切るためには、あの3人が警告看板を隠したという明確な根拠が必要です。これに関しては、宇治木の調査資料や、十海の夫の日記からも、得ることは出来ませんでした。しかし、まだ1つだけ、確認されていない記録媒体が存在します。それは、つむぎがカメラで撮影していた映像です。
これに関しては、前回の考察でも触れましたが、わざわざ高性能なカメラという点からも、あの3人が警告看板を隠した証拠となる映像が映っていた可能性が高いです。
そうであれば、復讐に踏み切るまでブランクがあった点も説明がつきます。つむぎは、一時的に村に来ていただけなので、カメラの映像は、ずっとお蔵入りになっていたということです。村に移ってきたつむぎは、何かのきっかけでそれを見て、復讐を計画したのだと思います。
3つ目のポイントは、ちょっとメタ的な観点ではありますが、アリバイトリックです。最初の2人の犯行に関しては、つむぎのみ、完璧なアリバイが存在します。つまり、金田一の推理の対象となり得る、唯一の人物です。金田一も、何らかのトリックを使って不可能を可能にした、と言っているので、そういった要素を持ち合わせているのがつむぎということです。
以上、「漫画【金田一少年の事件簿】「墓獅子祭殺人事件 File.7」動機の観点から犯人が見えてくる」について考察してみました。
おそらく、次回で犯人の方向性が見えてくると思いますが、せっかく横並びの状態にしたのですから、つまらない失言で、一気に一択になるというのは避けてほしいところです。徐々に容疑者が絞られてくるといった展開なら面白いんですけど。
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