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漫画【金田一少年の事件簿】考察「八咫烏村殺人事件 File.08-09」第1の密室を徹底検証、結論はこれだ!

30周年記念として、イブニングで連載中の金田一少年の事件簿について、漫画と同時進行で推理・考察をしていきたいと思います。今回は、エピソード「八咫烏村殺人事件」のFile.08-09についてです。
漫画を読んでいる方も読んでいない方も一緒に推理・考察できればと思います。

ネタバレの内容を含みますのでご注意ください。
講談社 イブニング 金田一少年の事件簿30th 01~09話より引用しています。

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YouTubeにも動画投稿していますので、チャンネル登録していただき、みなさんと一緒に考察できたら、とてもうれしいです。

第1の密室 徹底検証

第9話の内容から、金田一は、第一の密室のトリックについて、大方解けた感じでした。どうやら、ロープウェイ方式の仕掛けが使われたことは、ほぼ確定的といった感じです。以前の考察であげた、錠前の入れ替えトリックのほうがおもしろいように思いますが、それは置いておいて、具体的な経緯について検証していきたいと思います。

まず、時系列的な部分を見てみると、7時に巫女が社を清め、詣での儀式は12時に行われています。

お清めの後は、長老2人が確認して、鍵を閉めています。

改めて言うまでもありませんが、7時から12時までは、神社内に入ることは出来ないということです。
時系列的な観点で、1つわかっていないのが、江鳩が殺害された時間です。

7時より前なのか、後なのかが重要になってきます。そこで注目したいのが、1の間の格子窓です。入ってすぐ右側に、大きな格子窓があります。

江鳩の殺害現場を見てもらえばわかりますが、そこにも、同じような格子窓が存在します。部屋全体の感じからも、江鳩は、神社の1の間で殺害された可能性が高いです。そうなると、犯行時刻が自ずと見えてきます。7時には、神社の鍵は閉まっているので、それ以前ということになります。つまり、犯人は、鍵が閉まる前に首を持ち込んで、トリックの仕掛けを仕込んでおくことが可能になるということです。
問題は、お清めの時に、巫女や長老に気付かれないような仕込みが出来るのかという点です。

もし出来るのであれば、3の間から祭壇までワイヤーを張り、そこをロープウェイ方式で頭を移動させるトリックの完成です。ワイヤーの回収方法については、後ほど触れますが、もし、仕込みが不可能だとしても、頭を神社内に隠しておく必要はあります。詣での儀式の時に、あんな大きなものは持ち込めませんから。夜ですし、黒い風呂敷で包んであれば見えづらいので、3人の死角になる天井にでも吊るしておいたのかもしれません。
もう1つ、頭を神社内に持ち込む方法があります。それは、祭壇の小窓から頭を入れる方法です。

小窓の大きさ的に、頭が通るのでしょうか。小窓と2人の顔の比率からみると十分通るように感じますが、2人がはっきりと通ると、明言 していないので、何とも言えません。

仮に通るとしたら、風呂敷を棒にでも引っかけて、祭壇に置くだけです。小窓の鍵については、以前の考察でも言った通り、ワイヤーをつけて外から引っ張り、クルリンパさせるだけです。ただ、これだと、ロープウェイ方式の出番がないので、可能不可能は別にして、この方法ではない可能性が高そうです。

これまでの検証をまとめると、まず、7時前に、神社の1の間で、江鳩が殺害されます。そして、黒い風呂敷で包んだ頭を、神社内の死角に隠します。7時に、お清めの儀式が行われますが、巫女も長老2人も、頭の存在には気づきません。
ここまではいいですが、あとは、ロープウェイ方式のためのワイヤーを、どう張って、どう回収したかという点です。まず張り方ですが、鍵は閉まっているので、やるとしたら、祭壇の小窓からしかありません。

やり方として考えられるのが、ボーガンで、壊れた格子の隙間を狙い、4の間、あるいは、3の間まで通す方法です。ここで触れておきたいのは、部屋の繋がりがどうなっているのかという点です。まず、部屋を階段で降りていく形なので、普通に考えればこうです(赤は格子)。

しかし、これだと、格子の位置がずれてしまいます。次に、これはどうでしょう。

これだと、先の部屋に行くにつれて、天井が高くなっていってしまいます。そうなると、このような繋がりになっている可能性が高そうです。

わかりやすくするため、角度をつけていますが、実際は、もう少し緩やかだと思います。これなら、ボーガンでワイヤーを通すことが出来そうですが、かなりの精度が必要になります。その辺は、訓練次第といった感じです。第2、第3の犯行で、わざわざボーガンを使っているところを見せているのは、このことを示唆しているのかもしれません。
ワイヤーを張ってしまえば、隠しておいた頭を、こっそり持ってきて、ロープウェイ方式で祭壇に送るだけです。思惑通り、うまく滑らすことが出来るかどうかという点については、これも訓練次第です。その辺の作業も、列の一番後ろにいたあの人なら、やりやすいかもしれません。

あとは、ワイヤーの撤去方法ですが、この図のように、ワイヤーを小窓の外まで伸ばし、おもりを付けておきます。

そして、頭を送り終わった後に、ワイヤーを切れば、おもりによって、小窓からワイヤーは出ていきます。
ここでポイントとなるのが、外から見た小窓の位置です。中から小窓を除いた時には、木の中腹部分が見えていました。

つまり、この図のように、外から見た小窓の位置は、ある程度高い位置に存在していると思われます。

それなら、ワイヤーを切れば、おもりが自然と落下して、ワイヤーを引っ張り出してくれます。
小窓に着いた傷は、この時に擦れてできた傷だと思います。まあ、本番一発で出来るとも思えないので、何度も試した結果、出来た傷ではないでしょうか。

第一の密室のトリックについては、こんな感じですが、ひとつ腑に落ちない点があります。それは、金田一が、部屋の傾きに気付いた経緯です。そもそも、神社の部屋を階段で降りていくわけですから、先ほど触れたように、格子の部分が傾斜になることは明らかです。つまり、床が平らだろうが傾いていようが、最初からロープウェイ方式のトリックは可能だということです。それなのに、床の傾きによってはじめて気づくというのは、今一ピンときませんでした。「格子は、頭は通るけど体は通らない」とか、今回の金田一は、ちょっとずれたことを言います。

第2、第3の密室についても触れるつもりでしたが、時間が無くなってきたので、金田一が、「謎はすべて解けた」といった時点で、まとめ考察としてあげたいと思います。

トリックの必要性と意味

第一の密室については、ロープウェイ方式のトリックで落ち着いた感じですが、なんかしっくりこない感じがしました。それは、トリックの必要性と意味にあるのではないでしょうか。
昔の金田一では、犯人が犯行を行なううえでの、トリックの必要性や、その意味が明確になっていました。そのため、「なるほど、だからそういうトリックを使ったのか」といった納得感がありました。トリックの具体例をだすと、ネタバレになるので控えますが、「蝋人形城」や、「雪夜叉伝説」などは、そのいい例です。しかし、最近の金田一は、トリックが、単なる見世物と化していて、必要性や、その意味が明確になっていないものが多くなっているように感じます。これでは、トリックのお披露目会になってしまいます。今回の、第一の密室のトリックがしっくりこなかった点も、そういったところにあるように思います。
ストーリーとトリックは、別々の人が考えているということはないと思いますが、この2つがしっくり噛み合うような構想を練ってほしいところです

以上、「漫画【金田一少年の事件簿】「八咫烏村殺人事件 File.08-09」第1の密室を徹底検証、結論はこれだ!」について考察してみました。
犯人についても、大勢が決した感じがあるので、先ほども言った通り、次回は、金田一が、「謎はすべて解けた」といった時点で、まとめ考察をあげたいと思います。

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