復讐の複層
金田一ファンのみなさん、お久しぶりです。前回のエピソードでは、序盤で早々に犯人の目途が立ってしまったので、第5話までの考察となってしまいました。今回、新たなエピソードがスタートしましたので、心機一転、考察を再開したいと思います。
今回のエピソードですが、前回に引き続き、雪の中での事件になります。
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第2話で、早々に事件が起こりましたが、そこに触れる前に、今回のエピソードの最大のポイントとなる要素について見ていきたいと思います。それは、動機となる要素の先出しです。金田一シリーズで、動機の要素が先出しされるのはめずらしく、しかも、1つではなく、関連性を持たせる形で、2つの要素について、語られています。
1つは、2年前に起こった、首なしスキーヤーの事件です。
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バックカントリースキーの社会人女子チームが山で遭難し、助けを求めに行ったリーダーが、ワイヤーに引っかかり、首を切断してしまう事件です。
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一応、事故ということで処理されているようですが、実は、このワイヤーが意図的に仕掛けられたもので、その被害者の関係者が、復讐を試みようとしている可能性があります。ただ、この被害者の素性は、現段階では、明らかになっていません。
もう1つは、首なしスキーヤーの呪いとされる事件です。
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こちらは、1年前、合宿に来ていた、帝国女子スキー部の部員が遭難し、行方不明になってしまったという事件です。もちろん、呪いということはないでしょうが、こちらに関しては、帝国女子スキー部員の3年生で、美波という名前が明かされています。
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こちらに関しても、十分、復讐の要因になり得ます。
現段階では、1つの事件しか起こっていませんが、このことから、2つの復讐が複層してくる可能性が考えられます。
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とは言うものの、現状、妄想の域を出ないので、まずは、最初の事件、青崎の殺害について考察していきたいと思います。
青崎殺害の動機
最初に起こった事件、青崎の殺害ですが、動機の観点から見ると、どちらの事件が動機となっているのでしょう。
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同じ、帝国女子スキー部の部員という点から、首なしスキーヤーの呪い事件のほうでしょうか。一見、そのように感じますが、おそらく、首なしスキーヤー事件のほうです。その根拠は、殺害される直前の、青崎のセリフです。
青崎は、「アイツの呪いなんて」と言っています。
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アイツというのは、首なしスキーヤー事件の被害者のことです。その被害者を、アイツ呼ばわりするということは、この事件について、青崎が関与している可能性が高いということになります。逆に、呪い事件の被害者、美波については、特に触れている感じはありませんでした。つまり、青崎 殺害の動機は、首なしスキーヤー事件の復讐の可能性が高いということです。
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そうなると、青崎と、この事件の被害者は、どういう関係にあるのでしょう。
2年前の事件ということは、青崎は、大学1年生ということになります。
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そして、アイツ呼ばわりしていることから、この被害者も、同年代の人物の可能性が高いです。ただ、被害者は、社会人女子チームということから、青崎は大学進学、一方、被害者は、企業からスカウトされて、社会人スキーヤーとなったのだと思います。つまり、この2人は高校の同級生で、一方は、社会人スキーヤーとして、エリートコースを歩み、一方は、仕方なく、大学進学を余儀なくされたということです。
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もし、そうだとすると、青崎が、妬みから、この被害者を殺害したということは、十分に考えられます。そうなると、青崎に同調した人物が、他にもいるのでしょうか。
同級生ということであれば、同じ、大学3年の人物がいると思いますが、そういった人物が存在していないことから、青崎 単独の可能性もあるかもしれません。
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ただ、そうだとすると、今回の事件は、これで終わってしまいます。そこが、先ほど触れた、復讐の複層に繋がってくるのではないでしょうか。同一犯の犯行に見えて、実は、別々の人物が、別々の理由で犯行を行っているとしたら、かなり面白い展開になるように思います。
青崎殺害の容疑者
青崎殺害の理由が、首なしスキーヤー事件の復讐だとすると、容疑者についても、ある程度絞れてきます。
先ほど、この事件の被害者については、素性が明らかになっていないと言いましたが、それは、読者に対してという意味であって、物語上は、その辺の素性も明らかになっているはずです。そうなると、被害者の親族という線は、薄くなってきます。顔や名前を変えてまでして、今回のメンバーに潜んでいるというのは、考えづらいですから。
その他では、親友という線ですが、先ほど触れたとおり、同級生に該当する人物が存在しませんし、先輩、後輩という関係性から、そこまでの恨みを募らせるというのも考えづらいです。
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そうなると、考えられる関係性は、1つです。それは、恋愛関係です。
恋愛関係となると、同性愛者じゃない限り、容疑者は、男性の3人に絞られてきます。
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ただ、年齢的な部分から見ると、コーチの赤桐、1択となってきます。
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赤桐と言えば、古いロッジに移動しようと言い出したのも、赤桐でした。
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物事の言い出しっぺを疑えという、ミステリーのセオリーにも該当しています。
赤桐は、古いロッジに移動するとき、やたらと多くの荷物を持っていましたが、遺体の移動トリックに関係しているのでしょうか。
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青崎の遺体については、殺害されてから、古いロッジに移動を始めるまでに、どれくらいの時間があったのかがわからないため、現状、何とも言えないところです。
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もし、時間的に遺体の移動が不可能ということになれば、アリバイトリックが成立することになりますが、その辺については、詳しい状況がわかる、次回以降の考察で触れたいと思います。
以上、「漫画【金田一37歳の事件簿】考察「首なしスキーヤー事件 File.1-3」事件は1つではない?復讐が複層している可能性」について考察してみました。
今回のエピソードは、私が好きな、雪霊伝説 殺人事件にシチュエーションが似ているので、ちょっと期待したいところです。