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漫画【金田一37歳の事件簿】考察 「殺人二十面相 File.07」乱歩の蔵のトリック解明、船橋の発言が物語っていた

シリーズ累計1億部突破のモンスターコミック。現在はイブニングで連載中の金田一37歳の事件簿について、漫画と同時進行で推理・考察をしていきたいと思います。今回は、新たに始まったエピソード「殺人二十面相」のFile.07についてです。
漫画を読んでいる方も読んでいない方も一緒に推理・考察できればと思います。

ネタバレの内容を含みますのでご注意ください。
講談社 金田一37歳の事件簿 89話より引用しています。

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YouTubeにも動画投稿していますので、チャンネル登録していただき、みなさんと一緒に考察できたら、とてもうれしいです。

Contents

赤峰、九死に一生を得る

梯子を登り始めていた赤峰ですが、金田一の機転によって、九死に一生を得ることが出来ました。

犯人は、心の声で、赤峰を殺し損ねたと言っていることから、やはり、赤峰もターゲットだったということが確定しました。
しかし、赤峰 殺害をほのめかすメッセージカードが存在しなかったのは、なぜでしょう。おそらく、黄金仮面が加えていたメッセージカードが、それだったと思われます。

「一人で行動した勇者だけが、ここから脱出できる」。脱出とは、屋上に通じるハッチのことを言っているのでしょう。一人で行動した勇者だけ、というのが、唯一梯子を登れる赤峰が、危険を顧みず、登っていく様を言い表しているのだと思います。
赤峰を殺害し損ねた犯人は、再度、赤峰を狙うようなことを言ってました。犯人は、計画どおりいかなかったことを、強引に実行しようとして、ボロを出すような予感がします。

船橋の殺害現場

前回の考察で、船橋の遺体に付着していたものは、犯行現場の床の芝生か絨毯の繊維ではないかと考察しましたが、人工芝だということが分かりました。人工芝が生えた場所は、赤い部屋の脇に位置する中庭でした。

金田一が、船橋の殺害は、ずさんで場当たり的なことから、予定外の殺人と推理していることからも、船橋は、証拠となる物を見つけてしまったため、殺害されたということが確定しました。
船橋は、一体何を見つけたのでしょう。最初は、船橋が布状の物をめくったしたに、トリックに使った証拠品があったのかと思いましたが、どうやら、この布状の物自体が証拠品だった可能性が高いです。

この布には、誰もいない赤い部屋の画像がプリントされていたのだと思います。あるいは、よりリアルな映像を見せるのであれば、それを映し出すためのスクリーンだったかもしれません。ちょうど、映写機を乗せるような台も置いてありましたし。
いずれにせよ、この布を、赤い部屋の窓枠に、両面テープでとめておいて、それを、双眼鏡から覗かせたのだと思います。双眼鏡側の窓に張り付けるには、距離が近すぎる感じがしますし。
赤い部屋側に付ける理由は、もう1つあります。それは、この布を、自動的にはがす仕掛けを施すためです。おそらく、人形を吊るした糸を利用し、人形が降りてきたら、外に張り付けた布が引っ張られて、自動的にはがれるような仕掛けになっていたのだと思います。

両面テープにホチキスがついていたのは、その糸を引っかけて、引っ張らせるためでしょう。

そのまま糸を引っかけただけでは、布ごと巻き取られてしまう可能性があるので、中庭にある木を通して、糸を引っかけた可能性があります。そうすることで、木や下の岩に布が引っかかるので、自動的にはがすことが出来ます。
そう考えると、第3話で感じた違和感についても説明がつきます。金田一が、赤い部屋に入った時に、はじめて3体目の人形に気づいた件です。

なぜ、あのような意味のない描写があったのかと、違和感を感じていましたが、3体目の人形と連動して、この仕掛けが施されていたのなら、納得です。つまり、仕掛けの作動により、3体目の人形が降りてくるのに時間がかかったということです。布をはがすために引っ張る時間が、多少かかりそうな感じがします。
それにしても、この仕掛け、まるで、名探偵コナンのようです。個人的には、金田一では、こういった小細工じみた仕掛けはやってほしくないですが、ホチキスのついた両面テープが出てきてしまった時点で、大方、このような感じのトリックだと思います。

関係ないとは思いますが、一応気になったので触れておきます。この、中庭に立っている木ですが、双眼鏡側の窓を遮っているので、向こう側が見えないような気がするのですが。

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前半までで気になった点について、おさらい

このエピソードも前半が終了しましたが、いまだ犯人の決め手となる要素が存在しません。そこで、これまでに気になった点について、おさらいし、犯人像を明確にしていきたいと思います。

まず、第1話での、船橋の挙動についてです。億野が、亜良木について語っている時に、心ここにあらずといった様子で、何か、物思いにふけっていた、あれです。

すでに死亡しているので、本人が語ることはありませんが、船橋は、亜良木について、何か知っているのではないでしょうか。表情から察するに、すごいデザイナーということとは裏腹に、何か闇の部分を知っているといった感じがしました。
今回の一連の事件の動機は、この闇の部分に隠されており、犯人は、亜良木=現在生き残っているメンバーの誰か、という図式が成り立つような感じがします。

次に、第2話での順路の強調についてです。内覧会が始まり、双眼鏡のところまで行く間、やたらと順路通りということを強調していると指摘しました。

メンバーは、順路通り進んでいた感じですが、魚森だけは、出口で待ち受けていました。

つまり、みんなは順路通り進んでいるのに、魚森だけは、別行動で、葉狩を殺害しに行けるということを示唆するための、順路の強調だったように思います。
魚森が、みなさんお集りになりましたね、と言った時に、金田一が何か違和感を感じていたようですが、あれは、単に、葉狩がいないことに気づいたか、葉狩がいないのに、みんな揃ったと言った魚森への違和感か、どちらかでしょう。

そして、ここで重要になってくるのが、赤い部屋のトリックの必要性です。もし、このトリックを施さなかったとしたら、どうなっていたでしょう。最初の双眼鏡を除いた時点で、葉狩の遺体が発見されていたと思います。夜行怪人のところで、一眼レフカメラを持った葉狩らしき人物がいるので、殺害されたのは、建物内を順路通りに回っている間の可能性が高いです。

この状況で、すぐに葉狩の遺体が発見されてしまったら、1人だけ先回りしていた魚森が、真っ先に疑われてしまいます。つまり、このトリックの実行が必要だった人物は、魚森ということになります。そして、あのトリックのおかげで、双眼鏡を移動する間に犯行を行えるのは、第三者だけということになりました。
さらに言えば、トリックの証拠を見つけられただけで、船橋を殺害したことについても説明がつきます。そもそも、トリックがバレても、犯人に直結しなければ、殺害までする必要はありません。逆に言えば、トリックがバレると、自分に容疑がかかることがわかっていたから、ゆえの犯行だと言えます。

ちなみに、億野が、最初の双眼鏡を2回覗いたという説がありますが、移動にもたついただけで、2度覗いている描写は存在しません。

次に、犯人の利き腕についてです。島咲の首のロープの巻き方や、船橋を殴るときの鉄パイプの持ち方から、犯人は、右利きであることが、ほぼ確実です。

そこに直結しそうなのが、あの、わざとらしい挙手のシーンです。全員、利き腕で手を挙げたのであれば、魚森は右利きなので、犯人に該当します。

逆に、もう一人の容疑者候補、億野は、左利きなので、犯人に該当しません。

億野は、最初に登場したシーンでも、左手にスマホを持って通話しているので、左利き濃厚です。

次に、億野の誘導発言についてです。億野は、透明人間のところでの毒ガス発言をはじめ、いくつか、周りを誘導するような発言をしています。

いかにも、犯人ぽい感じがします。ただ、このことは、金田一37歳の考察をされている、小鳥遊さんも触れられている通り、場当たり的な要素が強すぎます。まわりが、思惑通り動いてくれるかどうかわからないということです。そういった観点から、いかにもミスリードっぽい感じがしてなりません。

次に、乱歩の蔵のトリックについてです。が、こちらは、少し込み入っているので、最後にまとめてお話しします。
あとは、メッセージの書体の違いや、ネックレスやマイクが消える件ですが、意味があるのか、作画ミスなのかはっきりしないため、何か示唆があるまでは、触れないで おきたいと思います。

乱歩の蔵のトリック

乱歩の蔵の密室トリックについてですが、第5話での船橋の発言から、2つのケースが考えられると思います。
1つ目は、ちょっと見え見え過ぎるので、あまり言いたくありませんが、2つの扉の間に、スぺースがあるというケースです。船橋は、最初の扉の壁は、蔵の扉っぽく見せるために、ベニヤで作ったものだと言っていました。

簡単な図で表すと、こんな感じで、扉と扉の間に、ちょっとしたスペースが出来ていると思われます。

犯人は、このスペースに隠れていたというケースです。ただ、赤峰が、入り口の2枚扉で壁に厚みが見えると、隠し扉を疑っていましたし、船橋も、人がはいれるようにはできないと否定していました。そこまで見え見えの発言をしていながら、実は隠しスペースだったというのは、ちょっとあり得ない感じがします。
個人的には、2つ目のケースのほうが可能性がありそうな感じがします。それは、壁自体を移動させるというケースです。図にすると、こんな感じです。

扉の部分以外は、ベニヤによる張りぼてですし、下に車輪でもついていれば、1人でも動かすことは可能だと思います。これなら、鍵なんか関係なくなります。犯人が、亜良木であれば、こういった細工をしておくことも簡単にできるでしょう。乱歩の蔵では、魚森の5人発言がありましたし、犯人=亜良木=魚森でほぼ確定のように思います。

以上、「漫画【金田一37歳の事件簿】「殺人二十面相 File.07」乱歩の蔵のトリック解明、船橋の発言が物語っていた」について考察してみました。
赤い部屋のトリックも、乱歩の蔵のトリックも、発想自体は単純な感じがします。ただ、函館異人館の奈落のトリックも、同じように単純な発想でしたし、これでも十分通用するように思います。個人的には、もう少し複雑なトリックであってほしいので、そういった意味で期待を裏切ってくれると嬉しいです。

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