TBSで日曜21時から放送されているドラマ、テセウスの船について考察してみたいと思います。とわいうものの、このドラマは、原作の漫画が存在しているため、答えがすでに出ており、考察することは避けてきました。しかし、私自身、原作の漫画を読んでいないことと、原作とは真犯人が違うということから、掟破りですが、考察を始めようと思いました。原作漫画を読んでいる方からすれば、こいつ間違ったこといっているということが多々あるかもしれませんが、温かい目で見ていただければと思います。
YouTubeにも動画投稿していますので、チャンネル登録していただき、みなさんと一緒に考察できたら、とてもうれしいです。
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佐野文吾は犯人ではないのか
最初に、おさらいの意味で軽く触れておきます。この物語の根本は、31年前に宮城県の音臼村で起きた、音臼村小学校無差別殺人事件にあります。青酸カリ入りオレンジジュースを飲んだ、小学校の生徒と職員21人が死亡するという事件です。
この事件の犯人として、村の警察官、佐野文吾が逮捕されます。
文吾は、無罪を主張しますが、この事件で家族が誹謗中傷をうけ、つらい人生を送ることとなります。
文吾を恨み続けて生きてきた、息子の心は、妻の言葉がきっかけで、小学校跡地に行きますが、そこで異様な霧に包まれ気を失ってしまいます。そして、目が覚めると、そこは31年前の音臼村でした。
話の展開としては、そこから、事件が起こる2か月間を時系列で追い、要所要所で起こる危機を回避しながら、事件の真相にたどりつくというもののようです。方向性としては、文吾は犯人ではなかったというところに進んでいくように思われますが、そう単純な話なのでしょうか。第2話まで終わった段階では、家族の絆を全面に出している感じから、そういう方向性に進んでいるように思われます。
三島千夏の死亡事件
心の妻、由紀は、文吾の事件を調べてノートにまとめていました。そのノートによると、心がタイムスリップしてきた1月7日に、三島医院の次女、三島千夏が、除草剤のパラコートを飲み死亡する事件が記載されていました。
心は、その事件を回避するために、医院のガレージにあった除草剤を持ち出します。これで事件は回避できたかと思われましたが、心は、文吾が千夏を連れて歩いていく姿を目撃します。そして、その後、ガレージで千夏が除草剤を飲んで死亡しているのが見つかります。発見したのは、文吾でした。しかも、文吾は、心が捨てた除草剤のカラのボトルを隠し持っていました。しかし、文吾の不審な行動については、ふれられることなく、千夏事件はスルーされてしまった感じでした。タイムスリップもので、過去を変えて危機を回避しても、別の形で結局は同じ事象がおこるということがよくありますが、これもそういっためぐりなのかと思いました。ただ、この後起こる事柄では、危機を回避していることから、そういっためぐりのルールがあるというわけではなさそうです。
木村敏行の雪崩事件
由紀のノートによると、1月9日に、木村メッキ工場の工場長、木村敏行が、雪崩に巻き込まれて死亡という事件が記載されていました。
心は、このことを敏行に伝えますが、取り合ってもらえませんでした。しかし、文吾と敏行の娘、さつきとともに、追いかけることによって、雪崩に巻き込まれる直前で回避することができました。これについては、めぐりのルールが適用されることはなく、その後、敏行に危害が加わることはありませんでした。
田中義男の火災事件
由紀のノートによると、1月15日に、元県議会議員、田中義男が、自宅の火事により死亡という事件が記載されていました。
心と文吾は、警戒のため、義男の家につめますが、別の事件が発生したため、息子の正志に託して家を出ます。その後、火災がおきたという話がなかったので、事件は回避できたように思われます。
三島明音の失踪事件
由紀のノートによると、1月16日に、三島医院の長女、三島明音が、突然失踪するという事件が記載されていました。
しかし、事件は15日に発生します。火災事件を警戒していた、心と文吾が途中で家をでたのは、明音の捜索をするためでした。捜索は難航しますが、心が田中家で見つけた不可解な絵をヒントに、明音の監禁されている場所を特定します。明音は、命に別状はありませんでした。
長谷川翼の死亡事件
これについては、由紀のノートには記載されていないものでした。
服毒死でしたが、飲んだのはどうやら青酸カリのようです。この毒のビンを渡していたのは、婚約者の佐々木紀子でした。
これまでの事件を見てみると、回避できるできないの明確なルールとなるものは存在しないようです。心が、過去に来ていろいろと行動することによって、少しずつズレが生じてきているということなのでしょうか。翼の事件も、本来は起こらなかったはずの事件だったが、そのことによって発生してしまった。
次に、町の住人で気になる人物について見てみたいと思います。
長谷川翼
翼は、明音の事件に関与していた可能性が高そうです。カメラが趣味で、明音の写真を隠し撮りしていた様子から、小児性愛者なのではないでしょうか。もしかしたら、千夏の事件にも関与していたかもしれません。
佐々木紀子
紀子は、翼のいいなりといった感じです。明音の写真を燃やしていたのは、翼の性癖を隠すためにやったことだと思われます。毒の瓶も、翼に頼まれたから持ってきただけで、事件に関与していたり、翼を殺害しようといった思いはないように思われます。ちなみに、紀子は2月18日に自殺予定です。
金丸茂雄
茂雄は刑事ですが、いかにも怪しいといった雰囲気をかもし出しています。しかし、常に同僚の刑事とともに行動をしていることから、犯人として単独行動をとりずらい状況にあります。多分、茂雄も事件には関与していないように思われます。
木村さつき
さつきは、心が未来を予測できる力があることを、目の当たりにしている人物です。そういった観点では、少し特殊な立ち位置にいる人物です。また、メッキ工場という、クスリと接点がある部分でつながっているのも気になるところです。さつきは、文吾の事件で被害者となった人物なのでしょうか。それとも、現在も生きているのでしょうか。
そのほかの人物については、ミスリードっぽい感じがするので、現段階では触れないでおきます。
覗いていた目
明音が監禁されていた時に、壁の穴から外をのぞき込みましたが、その時に、外から覗いている人物がいました。眼だけがクローズアップされていましたが、これはいったい誰だったのでしょうか。
実際にその役者が覗いたという前提で考えると、年を取った人物、特徴的な目の人物は違うような感じです。女性の目のような感じもしますし、翼という可能性もありそうです。
テセウスの船の意味
テセウスの船というのは、「同一性」についての思考実験で、テセウスのパラドックスとも呼ばれています。ある物体を構成する部分が徐々に置き換えられ、やがて全てが置き換わったとき、以前の物体と同じであると言えるのか、という問題です。
これをドラマの展開に置き換えてみると、2つの可能性が見えてきます。
1つは、過去を変えることによって現在を作り替えようとしても、結局同じ結果になるという意味です。つまり、過去をいじって文吾の無実を証明しても、巡り巡って現在は何も変わらなかったというものです。
もう1つは、本当の現実を、過去を変えることで偽りの現実にしてしまうという意味です。これは、本当は文吾が犯人だったのを、過去を変えて無罪にしてしまい、間違った現在になってしまうというものです。今後も、このタイトルの意味に注目しながら見ていきたいと思います。
以上、「ドラマ「テセウスの船」原作とは真犯人が違うということで考察始めました」について考察してみました。今回は触れませんでしたが、要所で出てくるワープロの文章についても、考察していきたいと思います。また、重要人物だと思われる、現代の人々、田村鈴、車いすの男についても、おいおい考察していきたいと思います。車いすの男は、鈴の同級生、あるいは兄の慎吾のような気がしますがどうなのでしょう。
他にも、ドラマ「10の秘密」、「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」、「知らなくていいコト」についても考察をおこなっていますので、そちらともども、よろしくお願いします。