真犯人登場
これまで、全く登場せず、その存在自体、謎とされてきた真犯人ですが、第6話の終盤で、ようやく登場してきました。
藤巻が言っていたように、白鳥の自作自演の可能性もありましたが、別に真犯人が存在していました。
真犯人は、非通知で、藤巻に電話をかけてきましたが、最初、藤巻と久留米が、白鳥に仕掛けた罠かと思いました。その理由は、藤巻が、電話を、いきなりスピーカーに切り替えたからです。誰からかかってきたのかわからない状況で、いきなりスピーカーに切り替えるのは、不自然です。
このことから、白鳥に、電話の内容を聞かせることで、真犯人の存在を匂わせ、取引を中止させようとしたのかと思いました。
電話をかけてきたのが、久留米ということです。ただ、無関係の入院患者が殺害されたことで、その可能性は、ほぼ消えました。さすがに、あの2人が、そこまでやるとは思えません。
すでに、何でもありの状態になってきているので、可能性がないとは言い切れませんが、一旦、保留にしておきたいと思います。
そうなると、本当の真犯人からの電話だということになってきます。
もしそうだとすると、ポイントとなりそうなのが、なぜ、このタイミングなのかという点です。
藤巻も言っていたように、これまでに、11人の人間が殺害されているにも関わらず、まったく動く気配がなかった真犯人。しかし、ここにきて、大きな転機が訪れました。それは、藤巻が、警察関係者である、神林に、事の経緯をすべて話したことです。
このタイミングで、新たな、情報共有者が増えたことになります。そして、最も重要なのは、この時、藤巻が、神林に、ギフトを渡していることです。
おそらく、このギフトが、板橋 殺害に使用されたのだと思います。つまり、真犯人が動き出した、このタイミングで、最も変化があった人物は、神林ということになります。
第1話の段階から、神林が真犯人であると考察してきましたが、その可能性が高くなってきたように思います。
神林の行動と言動の矛盾
神林には、真犯人の可能性とは別に、行動と言動において、大きな矛盾が存在します。
神林は、今回の件で、藤巻を裏切り、白鳥側に寝返っていました。
神林自ら、このことを、白鳥にリークしていました。その理由が、娘の琴葉を助けるためには、白鳥が必要だからということでした。神林からすれば、白鳥に、娘を人質に取られているようなものです。
一見、筋が通っている行動のように見えますが、実は、大きな矛盾が生じています。
娘の手術に関しては、だいぶ前の段階で、話を持ち掛けられていながら、躊躇しています。
あれから、数週間はたっていると思いますが、娘の様態が急変しても、手術を拒み続けています。
確かに、娘の琴葉を助けるためには、白鳥が必要と言っておきがら、手術を拒み続けるというのは、矛盾しています。そうなると、今回、神林がとった行動には、別の理由があるように思います。その理由とは、一体、何なのでしょう。現段階では、何とも言えないところですが、考えられるとしたら、2つです。
1つは、これまでの考察でも触れてきた、妻の死に関わることです。
妻の死に、白鳥が関係していて、その復讐ということであれば、今の段階で、警察に引き渡すのは、中途半端すぎると判断したのかもしれません。これからが、本当の復讐の始まりということです。
もう1つは、ギフトの進化です。
現状、ギフトは、心不全を引き起こす効果がありますが、本来の目的は、重度の心臓病を治す効果を期待して作られたものなのではないでしょうか。
つまり、今のギフトは、未完成品ということです。藤巻たちの研究を経ることで、ギフトが進化し、完成品となることを期待しているのかもしれません。
さすがに、妄想の域をでないので、現実的とは言えませんが、青カビからペニシリンが作られたように、ギフトの進化によって、新たな薬が誕生することも、あるかもしれません。
いずれにしても、神林の行動と言動に矛盾が生じていることから、より、真犯人に近い人物と言えるでしょう。
オクトセブンの意味
真犯人は、ギフトのことを、「オクトセブン」と呼んでいましたが、この名前には、どういう意味があるのでしょう。
セブンは、数字の7を表すとして、「オクト」というのは、何のことなのでしょう。考えられそうなのは、2つです。
1つは、オクトーバー、10月を意味しているというケースです。
そうなると、10月7日を意味しているということでしょうか。何かの記念日的な意味だとすると、先ほど触れた、神林の妻の命日ということが考えられます。神林が、妻の復讐を目的としているのだとしたら、そういった名称を付けていたとしても、おかしくありません。
もう1つは、ラテン語の「オクトー」、つまり、数字の8を意味するケースです。
87という意味でしょうか。こちらに関しては、解釈が難しいですが、8に対しての7、つまり、本来、8個存在するものが、7個しか存在しないといった意味ではないでしょうか。たとえば、本来、8本の染色体を持っている細胞が、7本しか存在しないといったような意味です。
生物学の具体的なことまではわかりませんが、要するに、未完成な球菌という意味があるのかもしれません。こちらの意味だとすると、先ほど触れた、ギフトの完成品というところにも繋がってきます。
いずれにしても、この名称の意味が、真犯人に繋がる一つの要素であることは、間違い なさそうです。
以上、「ドラマ『グレイトギフト』第5・6話考察 神林の行動と言動の矛盾、そして、オクトセブンの意味」について、考察してみました。
ドラマも、後半に入って、ようやく、真犯人が登場してきました。神林真犯人説のネックとなっていたのは、警察側の人間だということでしたが、その枷が外れたことによって、真犯人を否定する要素がなくなりました。
一方、安曇との共犯説も、安曇が、ビップルームに遅れてきたことから、2人が接触していたことを裏付けているようにも感じます。ちょうど、神林も、あの店に来ていました。今後も、神林が真犯人、共犯が安曇という線で、推していきたいと思います。