犯人は星宮つむぎ
今回、犯人が明らかになりましたが、これまで考察してきた通り、やはり、つむぎでした。
まあ、入れ替わりトリックが既定路線になった段階で、ほぼ確定的でした。
最初につむぎに目を付けたのは、やはり、そのトリック的な部分でした。白神と鬼倉の殺害に、トリック的な要素が存在する時点で、その時にアリバイがあるつむぎが、一番怪しくなってきます。最初の段階では、入れ替わりではなく、相互殺害と考察していました。
入れ替わり自体に無理がありそうな感じだったので、相互殺害を考えましたが、金田一の匂い発言で、入れ替わりが確定的になりました。ただ、個人的には、相互殺害のほうが面白かったように思います。それ以外にも、つむぎの発言の矛盾や、動機の観点など、つむぎが犯人であることを指摘しているので、過去の考察動画をご覧いただければと思います。
今言ったように、入れ替わりには無理があるという意見も多いようですが、これが、ぶっつけ本番ではなく、ある程度、練習ができたのであれば可能なように思います。
入れ替わる瞬間、幕が波打つという点も、幕に触れるぐらいの位置で踊っていれば、ある程度揺れても気にならないでしょう。
入れ替わり自体、大きく否定はしませんが、入れ替わった根拠については、かなり問題があるように思います。左右の手の大きさが違うという、あれです。手の大きさは、確かに違いました。
わかりづらい部分だったので、気づかなかった人も多かったのではないでしょうか。実際、私も気づきませんでした。
ただ、手の大きさで気づくのであれば、それ以前に、体の大きさで気づくのではないかと思いました。前回の考察では、身長の違いから入れ替わっているのではないかという指摘をしました。
さらに言えば、左右 それぞれの手を、別々に出しているという状況の意味がよくわかりません。
実際、マントの中に手が隠れているタイミングがあるので、その時に交代すればいいだけの話です。
金田一と佐木の実演でも、佐木が手を出した時には、金田一は、しっかり両手を中に入れていますし。
つむぎと白神のミスと言ってしまえばそれまでですが、どうも、しっくりきませんでした。
金獅子を盗んだタイミングの矛盾
入れ替わりトリックについては、しっくりこない部分もありましたが、概ねよしとしたいと思います。しかし、つむぎが金獅子を盗んだタイミングについては、かなりの疑問が生じます。
金田一の話だと、入れ替わった後、まず、白神の椅子に針を仕掛けています。
そのあと、鬼倉を殺害し、盗んだ金獅子を舞台裏に隠し、再び、白神と入れ替わっています。
そうなると、金獅子を盗んだのは、鬼倉殺害の前後どちらかということになります。しかし、ここで矛盾が生じます。金田一は、盗んだ金獅子は、墓獅子の頭の中に隠したと言っています。
しかし、その時墓獅子は、白神が踊っているので、隠し場所として使うことは出来ません。関係者以外触ってはいけないというほど神聖な扱いがされているものなので、複数存在しているとは思えません。もし、存在しているのであれば、そういったことを示唆する要素を提示する必要があります。
この、金獅子の一時的な隠し場所については、かなり重要な要素だと思い、第3話、４話の考察でも、詳しく触れました。その時は、木彫りの金獅子の中に紛れ込ませておいたという考察でした。
盗んだタイミングと隠し場所というのは、かなり重要な要素だと思いますが、タイミングが矛盾しているうえに、隠し場所が適当という点は、かなり残念な結果でした。
20キロという重さも、考慮に入っていませんでした。
イブニング休刊
墓獅子祭シリーズの総括については、動機の説明がされて、終了した時点であげたいと思います。
イブニング 休刊まで、4回ありますが、墓獅子祭シリーズも、あと4回あるのでしょうか。残りのボリューム的には、2回ぐらいな感じもしますが、37歳に戻るまでのショートエピソード的なものが入るかもしれません。ということは、金田一シリーズ自体は、コミックDaysとかで、継続されるということでしょうか。次号の予告で、2023年も金田一シリーズをよろしくと謳っていたので、継続はされると思います。
ただ、30周年を終えて、しばらく休養期間に入るということはあるかもしれません。
イブニング 自体、金田一をはじめ、K2、創世のタイガ、JJM、法廷遊戯、相続探偵、別班の犬など、それなりに面白い漫画があったように思いますが、休刊は残念です。隔週の発売だったわりに、毎号掲載せず、休み休みの漫画が結構あったので、読者が定着しづらかったように思います。金田一は、休みなしで毎回掲載されていました。
個人的な思いとしては、これを機に、掲載スタイルを変えてみたらどうかと思います。昔みたいに、ストーリーやトリックを練り込む期間を設けるのもありかと思います。2ヵ月くらい、そういった期間を設け、毎週連載といった形にしたほうが、作品のクオリティーがあがりますし、読者的なスピード感も出てくるのではないでしょうか。
まあ、どういった形での掲載継続になるかはわかりませんが、過去の名作を越えるようなエピソードを期待したいところです。
以上、「漫画【金田一少年の事件簿】「墓獅子祭殺人事件 File.9-10」金獅子を盗んだタイミングの矛盾について考察してみました。
今年も、金田一考察をご覧 いただきありがとうございました。来年も、引き続きよろしくお願いします。
