半年にわたり放送されたドラマ「あなたの番です」を見てきて、70の考察記事を書いてきました。ここまで書き続けられたのも、多くの方が読んでくれたおかげです。ありがとうございました。今回は、全体総括として書いてきた考察についての振り返りや感じたこと、思ったことをまとめていきたいと思います。
Contents
黒幕予想について
私は、一貫して黒幕は尾野幹葉と言ってきたので見事外しました。残念です。それでは、なぜ外してしまったのかも含めて、振り返っていきたいと思います。
黒幕が黒島沙和だったことについて
まず、黒幕が黒島だったことについてですが、人物的には問題ないと思います。黒島の最終考察でも、黒島が黒幕である可能性を示唆する状況は揃っていると書きました。ただ、あくまでも状況だけで確証となりえる状況証拠に合致するよう要素をもちあわせていないことから、黒幕としてあげることが出来ませんでした。最終的には、警察が解析した菜奈動画の音声とファミレス動画の偽装が決め手となったのでしょうが、翔太たちの手で確証となる証拠を黒島にぶつけて追い詰めることで、自白させる展開にもっていってほしかったです。
実行犯が黒島沙和だったことについて
実行犯が黒島だったことについては、納得できな部分がかなりありました。論理的に推理していく上で、状況証拠となるものを積み上げていき犯人にたどり着いていくので、その辺があいまいだったりずさんだったりすると、推理の根底から崩れていってしまいます。具体的にいくつか見ていきたいと思います。
赤池家殺害時のアリバイ
アリバイは証拠としてかなりの効力を持っています。そのため、正確な情報を提供してくれないと犯人推理が成立しません。しかし、警察の捜査で赤池家殺害時に黒島にはアリバイがあり、外出していて友人の証言もありとなっています。この時点で、黒島が実行犯ということはありえません。仮にアリバイが偽装されていたのであれば、それを示唆する何かを提示してくれないと、どうすることもできません。
他の事件のアリバイ
15話の警察会議で水城が、黒島については全ての事件でアリバイがあると言っています。最終的に、菜奈殺害時のアリバイは偽装であることが判明しましたが、それ以外についてはなんの提示もないことから、赤池家殺害はもちろん、児嶋殺害、浮田殺害についてもアリバイが成立しているのです。つまり、菜奈殺害以外の他の事件でも黒島が実行犯ということはありえません。
赤池美里殺害時の身長差
美里と黒島の身長差は、16cmあります(役者本人の身長から)。警察の調査では、立ったまま背後から切られているという話でしたが、実際は横から切られていました。背後からということなら、同等の身長の人物ではないかと思ったことと、身長差がある女性だった場合、切り口の角度で判別できるのではないかと思いましたが、そのような情報もなかったので実行犯は男と推理しました。実際に、切り口の角度で身長を判別できるのかどうかわかりませんが、わざわざ鑑識の情報をだすのであれば、その辺の正確な情報を提示してほしかったところです。
浮田殺害時の体格差
浮田殺害については、浮田をトイレまで運んでいくのは女の力では無理だと思い、男の犯行と推理しました。やろうと思えばやれないこともないというレベルの話ではありますが、常識的には難しいのではないかと思いました。たとえば、黒島がジムで鍛えていて腕力はあるといった示唆があれば、多少は納得できたかもしれません(桜木だけではなく、黒島もジムに通わすべきだった)。
身体的特徴については、見方によって変わってくるケースもありますが、アリバイについてはずさんすぎます。以前の考察で、警察が調べ上げた情報をまとめたことがありますが、その時もアリバイのずさんさについては指摘しました。アリバイについては、もっと綿密な設定をして正確な情報を提供してほしかったところです。こうした要因から、私の推理ではアリバイのある黒島は白、身体的特徴から実行犯は男という結論に達してしまいました。
黒島と内山だけでは役不足
結果的に、黒島と内山の共犯ということでしたが、この2人だけでは補えない部分が存在しました。ここも、論理的に推理していく上で重要な部分だったので、あいまいにされてしまったことで推理にズレが生じてしまいました。これについても2点ほど具体的に見ていきたいと思います。
PCの技術を持ち合わせていない
菜奈殺害については、PCの技術が必要になってきます。菜奈のPCをハッキングして翔太に挑発動画を見せた場面です。これについては、警察のサイバー班が分析しても証拠がつかめませんでした。つまり、相当のPCスキルを持ち合わせている人物ということになります。黒島と内山については、そういった技術を持ち合わせていたという事実は存在しません。
ターゲットの位置を把握しすぎている
これは、PCスキルに通じるものがあるかもしれませんが、殺害対象の人物などの位置を把握しすぎていると思いました。浮田殺害時、神谷殺害時、久住の同僚のコンビニ袋に写真を入れた時、精肉工場がある場所把握、細川の倉庫ビル場所把握などです。黒島と内山が位置情報を知るためのツールを使っていたという事実は存在しません。
この2点に共通するスキルを持ち合わせている人物という観点で、江藤が浮上しました。考察上は、黒幕になりえるだけの情報を持ち合わせていないことから、共犯者という位置づけで推理をしてきました。ここも結局、できないことを無理やりできるという設定にされてしまったことで、推理にズレが生じてしまいました。
根拠のないミスリードはただのウソ
内山動画の後ろに尾野の部屋のカーテンが映っていたのは、内山がマスターキーで勝手に尾野の部屋に入り撮影したということでした。これは何のためにやったのかまったくわかりません。なんで尾野の部屋なの?内山が尾野と共犯であると思わせたかった?全然意味がわかりません。制作側が尾野黒幕をミスリードさせようとするための演出でしょうが、根拠のない行動や状況をミスリードにしようとすると、ただのウソにしかならないと思いました。
以上、黒幕黒島と内山について振り返ってみましたが、アリバイやPC技術などしっかりとおさえておいてほしいところがずさんだったところが残念でした。
尾野幹葉について
尾野については黒幕として推しましたが、みごとにはずされました。尾野についてはウソを言わないという観点から、黒幕と同じ言葉をしゃべっていた点やカーテンの件などの状況証拠の信憑性が高いと感じました。また、尾野のバックボーンが動機に直結するのではという思いも黒幕として推した理由の1つです。ただ少し気になったのは、残り5話ぐらいから過剰に尾野の奇怪な行動を誇張しすぎていたような気がしました。八つ目やシュシュも最後適当に流された感じで、その辺が残念でした。
西村淳と床島管理人の関係について
西村と床島の関係については、伏線の貼り方やつながりがうまく描かれていてよかったと思いました。床島の自殺のような事故は、コードが屋上に結ばれていたことや、コードの切り口など、映像から判断でき、ほぼ考察通りだったのはよかったです。西村については、管理人室への出入りや、榎本家への茶封筒の投函、麻雀マットなどわかりやすい伏線でしたが、茶封筒については立ち位置や目線の高さから、どの部屋に投函されたかを推理させたことや、「やることやれ」で早苗が勘違いをしたことなど、推理させる要素がもりこまれておりよかったです。そして、西村が自分では知らないうちに交換殺人ゲームのトリガーを引いていたことに対して、木下が「初めのドミノを倒したのはあなたです」という一言で締めたのもよかったです。
書いた紙引いた紙について
書いた紙引いた紙については、1つだけ納得いかない点があります。それは、石崎洋子と書かれた紙についてです。石崎本人の指紋が付いていなかったことについては、雑誌で勝手にかかれたことなのでよいのですが、尾野が引いたということであれば、田宮と床島の指紋が付いていたことが疑問です。このせいで、私は床島が石崎を引いて、尾野が管理人を引いたと思ってしまいました。紙の配布前に触っていたということなら、後付けでもいいので田宮がノートのページを提供して、床島が切っているというようなシーンをいれてほしかったです。
本当は登場人物全員について感想を書きたいのですが、量が多くなってしまうので一部の人だけ簡単に感想を書きます。
田宮純一郎について
田宮については、最終的に監視カメラと波止の件についてのつながりが以前の考察でも指摘できたのでよかったです。実は、この記事が一番多くのPV数を獲得した記事でした。
榎本総一について
総一については、考察では一貫して悪い奴ではないといってきましたが、結果的には悪い奴でした。そら君との関係は友好的なものと思っていたのですが、これに関しては読みが浅かったようです。
桜木るりについて
桜木については、いきなりの袴田殺しで怒りの記事を書きました。あれは反則です。さらに、理由が藤井のためというのもよくわかりません。藤井が袴田殺害について悩んでいたのなら多少はわかりますがそういうわけではありません。それなら、タナカマサオを代わりに殺害してあげるべきです。個人的にはいらないキャラでした。
赤池美里について
美里については、以前の美里の考察で性悪女(タイトルにもつけた)ということ書きましたが、最終回で実は黒島の正体を知っていて、交換殺人ゲームの話で煽り、幸子を殺させようと床島と作戦をねっていたということが判明し、やっぱり性悪女だったということわかりました。たまたまとはいえ、考察通りの人物でよかったです。
赤池幸子について
幸子については、以前の考察で正常状態であると書きましたが、やはりその通りでした。どうせなら立ち上がってほしかったです。結局、1話の車椅子が倒れていたシーンについては回収されませんでした。
続編・映画化について
最後、幸子が殺され、翔太たちの前に車椅子に乗った「あなたの番です」の紙が現れました。このことから、続編や映画化を示唆しているように見えます。ドラマのコンセプト的に短い時間で描きずらいので、映画化はないと思いますが、続編はあるかもしれません。その場合は、続きというよりパート2としてやってもらいたいです。具体的には以下のような感じです。
- キャストは全て新しくする
- マンションというクローズドサークルから町内レベルにする
- 町内を二分させて対立している構図にする(東地区、西地区みたいな)
- 各町内には主要キャラを15人ずつぐらい配置する
- ある日、町内共用の公園で「あなたの番です」と書かれた紙が見つかる
- その日から一定の周期で、各町内の住民が1人ずつ突然失踪していく
- 町内同士の抗争なのか?あのマンションでの事件が関係しているのか?
- 節目の回に翔太や黒島などパート1の住民が登場する
ざっとこんな感じですが、なんとなくパート2作れそうな感じがします。期待したいところです。
以上、あなたの番ですの全体総括でした。ドラマ全体としては、楽しく見ることが出来ましたし、たくさんの記事を書いてみなさんと考察を共有できたことをうれしく思います。ありがとうございました。
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これで「あなたの番です」の考察を終了したいと思います。
これからもいろいろと記事を書いていきますのでよろしくお願いします。